アメリカ最新情報 「ウォルマート」増収増益。その経営戦略に視点を向ける
ウォルマートは、7月29日で終わった第2四半期の業績を発表した。
売上は5.5%増加して1,086億ドル、当期利益は5.7%増加して38.01億ドル、1株当たりの利益は12.4%増加して$1.09だった。
国内のガソリンを除く既存店売上は横這い、サムズ・クラブは5%増加、ウォルマートは0.9%の減少(予測は-1.0%〜+1.0%)だった。部門毎の売上/営業利益は、ウォルマートUSが648.93億ドル(+0.4%)/49.85億ドル(+2.1%)、サムズ・クラブが136.46億ドル(+9.5%)/4.92億ドル(+15%)、国際部門が300.99億ドル(+16.2%)/14.15億ドル(+8.9%)だった。
CEOにのマイク・デューク氏は、主要顧客の経済的圧迫下で、EDLPでの低価格を推進していく。国際部門は日本を除き、新店及び既存店で伸びている。日本は、経済産業省の発表によると、スーパーマーケット業界の既存店売上が同期で1.7%減少したが、ウォルマート日本は、総売上で-1.6%、既存店売上で0.28%の減少だった。客数は0.23%の減少、客単価は0.05%の減少だった。1,000アイテムのEDLP価格の値下げを発表している。
今期、英国のネットー及びアフリカのマスマートの買収を終了した。ウォルマートUSのCEOであるビル・サイモン氏は、今年中の既存店売上の増加が目標で、その為に品揃えとEDLPを進めており、改善が観られる。
売上の2/3を占めるグローサリー、ヘルス&ウェルネスの既存店売上はプラスになっており、エンターテインメント以外の部門も改善が観られる。ネイバーフッド・マーケットは、既存店売上で3%以上増加しており、15四半期続けての増加となり、我々の食品とヘルス&ウェルネスでの強さを示している。
アパレルは既存店売上で4-6%の減少だったが、第1四半期に比べると3%ほど改善している。紳士、女性、ベビーが良く、子供、インティーメートは弱かった。ホームの既存店売上は、4-6%の減少だった。エンターテインメント部門は7-9%の減少で、メディアとゲームとも悪く、5ドルの映画の売上が良い。テレビの2桁のデフレが続いているが、販売数は伸びている。タブレット、プリペイドの携帯は好調である。
玩具は、映画のラインセンス商品を中心に改善しており、季節商品であるプール、水の玩具、バイクなどが好調である。ハードラインは、2-4%の減少だが、第1四半期よりは良くなっている。気候に助けられスポーツ用品が良かった。マルチ・チャンネル販売はすすんでおり、ドット・コムの売上の60%は、サイト・ツー・ストアなど何らかの店舗サービスを使っている。
今期始められた、家電の配達と設置サービスのために、5万人以上の技術者を用意している。第3四半期の既存店売上は、今期予測と変わらないー1.0%から+1.0%を予測(昨年同期は-1.3%)している。今後も生産性の循環を目指し、経費節減、売価投資を進めていくため、粗利は横這いかすこし減少すると思われる。
予測の下限に近い結果だったが、今年に入って徐々に改善している。粗利の減少を述べているのは、今後売価の調整を積極化させるという意思表示だと思われる。
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