「暑気払い」解釈の両面を知ることでアプローチの幅が広がる

今では「暑気払い」といえば、夏の暑さやストレス発散の名目から宴会をしたり、滋養強壮の意味からバーベキューをしたりご馳走を食べたりすることを指すことが多くなった。

 

しかし、もともとの「暑気払い」の意味には体に溜まった熱気を薬や酒を飲んだり、体を冷やす効果のある食物を食べて「暑さをうち払う」という漢方的な意味があったようだ。

体を冷やす食べ物にも、現代と一昔前には捉え方に違いがある。

 

冷蔵庫もなかった時代には、食べ物そのものが持つ食性を活かし、その季節や気候、体調に応じたものを口にしてきた。

よって、暑気払いにも冷やして冷たいものではなく、“体を冷やしてくれる効果”のあるものをうまく取り入れることで夏の暑さを凌いでいたようだ。

現在は、かき氷やそうめん、桃やスイカなど冷たく冷やして喉越しの良いものがいつでも口にすることができる幸せな時代である。

 

この梅雨時期~8月上旬にかけて、スーパーでは「暑気払い」と題して昔ながらの“体を冷やしてくれる効果”のあるものと冷たく冷やして美味しいものとの両面からのアプローチが可能だ。

また、夏が暑くなればなるほど売上が増す業界では、「暑気寄せ」や「暑気乞い」と暑さが失せて売上が下がらないよう逆の表現を使い縁起を担ぎ夏商戦を戦っているようだ。

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